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7・13避難者訴訟(2陣相双)期日のご報告




裁判期日レポート


原告の皆さま

文責・弁護士鳥飼康二



7月13日、第2陣相双の裁判期日がありましたので、ご報告いたします。


1.更新弁論

 まず、裁判官が2名交代したため、新しい裁判官へこれまでの裁判のエッセンスを伝える「更新弁論」を行いました。約1時間にわたり、以下の点について、弁護団から裁判官へ説明を行いました。

・原発被害の特徴…全人格的、全生活的な被害

・被侵害利益…原発事故によって、憲法で保障されている包括的な平穏生活権が侵害されていること

・慰謝料の考え方…東京電力や中間指針の考え方では不十分であって、故郷喪失に関する慰謝料が必要であること

・被害の長期化固定化…被害は回復するどころか、ますます深刻化していること

・東京電力の悪質性…防げたはずの原発事故を引き起こしたことは、慰謝料の金額に反映されるべきであること

・1陣最高裁決定の意義…東京電力による「払い過ぎ」などの主張について、最高裁は全く相手にしなかったこと

・代表立証の妥当性…過酷な避難生活、故郷の喪失という被害は、避難者に共通であるから、全員を法廷で尋問する必要はないこと

・東京電力の謝罪の意義…1陣最高裁決定を受けて、東京電力は、原告団に対して謝罪したのであるから、この裁判でも真摯な態度を見せるべきであること


2.進行協議

 次に、裁判の進行計画を議論する「進行協議」が行われました。

 弁護団側からは、故郷喪失損害の更なる検証のために、大学教授(社会学者)の専門家証人を予定していること、専門家証人後は早期の裁判終了(結審)に向けて作業を進めることを提案しました。

 一方、東京電力側から「原告本人の主尋問」が申請されました。この裁判は、原告側が被害について立証責任を負っているため、我々弁護団と原告団の皆さんが主導して、「原告本人尋問」を実施するのがあるべき姿です。ところが、東京電力は、「我々が主導して本人尋問を実施させて欲しい」と申請してきたのです。これは、嫌がらせに他なりません。

 当然、このような東京電力の申請に対して、我々弁護団は、断固として反対の態度を表明しています。ただし、今回の裁判期日では、裁判所は結論を出さなかったため、次回以降も引き続き、東京電力からの主尋問の是非について議論が交わされます。


3.次回の予定

次回は、10月26日午前11時からで、原告本人尋問(1名)、専門家意見書の紹介(意見陳述)が実施される予定です。

東京電力のなりふり構わない訴訟態度を排斥するためにも、ぜひ、皆さんにも裁判傍聴へ足を運んでいただきたいと考えております。ご協力、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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